Experience the CMOS Annealing Machine

第4章 アニーリングマシンの可能性を信じ、探しに行こう

ここまで、アニーリングマシンに入れて効率的に解くことができる問題の例を説明してきましたが、身の回りに課題があって、ITを駆使して解決すべき機会が訪れた時に、問題の性質を正確に判別して、ぴったりのソルバー(問題解決のためのソフトウェアやソリューション)を選び使いこなすということは、なかなか高度なことです。時には、すべての最適化問題の定式化やソルバーの利用までは着手できない人であっても、アニーリングマシンのすごさを何とか体験してみたい、新しい技術を試してみたい、または、自社の業務に関連があると感じているビジネスパーソンが業務への適用を検討してみたい、といった野心の芽を持っている人がいると思います。

解こうとした問題が違うのではないかと感じた時、それはこの技術を知るための歩みを進めたと同じ事です。次にどうやって二歩目を踏み出したらよいか、立ち止まりそうになったらまずは次のポイントを押さえるよう考えてみてください。

課題がすでにわかっている人

現在の課題が、相互作用のある課題であれば、2次式のコスト関数で表しアニーリングマシンで解くことで高い効果が得られるものかもしれません。もし連続値であるなら、要素を離散的に定義しなおすなどの工夫ができるかもしれません。一方、現在の課題が相互作用のない課題であれば、アニーリングマシンよりも適したソルバーがあるかもしれません。

課題はないが架空の問題を作ってアニーリングマシンの効果を感じてみたい人

まずは相互作用のある問題を作ることを考えてみてください。ゲームを考えたり、架空の都市、架空の工場、架空の機械を考えてみるといいかもしれません。そのような架空のアイディアが形になれば、それを応用できるビジネスや業務のしたいと考えている企業や自治体があるかもしれません。

次に、課題が連続値でうまくいかない場合は離散になり得る条件を考えてみてください。

アニーリングマシンが世の中に知られるようになってきて、ビジネスで実際に活用しようという取り組みがここ数年間活発に行われていますが、劇的な成果を出すには、問題の性質をよく知った上で、いくつかの手法を想定し、繰り返し試行したり、手法を組み合わせたり、何らかの前処理や後処理を追加したり、業務側に工夫を加えたりというように、あらゆる切り口で対応していくことで成果がもたらされると考えられます。そのためにも、あらゆるステークホルダーがこのウェブサイトを通じてアニーリングマシンを触り、試しながら、この手法をより身近に感じて頂けたら、それに勝る幸いはありません。

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