COVID-19感染対策を考慮し研究員シフトを最適化する

概要

COVID-19の流行に伴い、感染リスクを考慮した制約条件の下、研究員のシフト作成をアニーリングマシンで行いました。

解決したいこと

前例のない感染症の流行により、研究所で密を避けた勤務が必要になりました。特に、研究所では実験などを行う必要があり、業務継続のためには出社する人の数を絞る必要があり、研究者のシフト勤務を行うことになりました。
複数の部署が入る大部屋については、部署間にまたがって出社人数の上限を設定しました。また、各実験室で作業する人員については各部屋の大きさによって細かく設定するなど、人員配置の制約条件を設けて対策を取ることになりました。
同じ建物の中に30以上の部署が存在し、部署を横断的に出社制限を管理するような仕組みはなく、それぞれの研究テーマにおける作業スケジュールも流動的であり、調整作業が高い頻度で求められます。また、実験室を利用する者は同じ部署内の人員とは限らないためせっかく実験のために出社しても他部署の人員と被ってしまうと実験は行えなくなってしまうなど弊害は大きく、制約を満たす調整作業は非常に煩雑となりました。研究者や、部門長にその調整を依頼するとなると、本業が滞り、成果に悪い影響がありました。

現状の問題点

  • シフト作成・調整に時間がかかる
    多くの部署間で調整する必要があり、それぞれの研究員で状況も違うため、シフト作成・調整を行うことが容易ではありませんでした。
  • 調整に時間がかかるため、急な対応に追いつけない
    あらかじめ予定を決めていても、プロジェクトの進捗状況によって「この日、部屋を使いたい」という相談や調整が発生しました。一方で遅れや体調不良などで使う予定を取り下げるなど、間近の状況を人手で反映するのは困難でした。
  • 実態と乖離している可能性がある
    実験室を使う予定でも実際は予定変更で使われていない、空いていると思っても研究者同士で融通していて当日は誰かがいる、といったことが起こり、コントロールが行き届かず感染対策に支障が出る恐れがありました。

解決に向けて

以下の情報を収集し、アニーリングマシンで制約条件をクリアした最適な人員の組合せとスケジュールを計算、研究員のシフト作成を自動化しました。

最適化の計算に必要な情報

  • 研究員が希望する実験室の利用日程
    誰が、いつ、どの部屋を利用したいのか、を収集しました。
  • 実験室の設備と部屋数
    部屋により設備が異なりできることが違うため、設備ごとの部屋数を設定しました。
  • 研究員の出社可能な曜日と時間帯
    制約や条件を満たしつつ平等性も保つため、出社曜日と時間帯の希望を収集しました。

制約条件

それぞれの実験室や研究室の定員は通常の3割までと定められました。

考慮すべき相互作用

  • 研究員同士の相性
    組合せによって生産性に影響が出る可能性がありました。
  • 連続可能時間
    稼働時間が一定を超えると生産性に影響が出ました。

導入後の変化

固定的なシフト配置

理想的なシフト配置

部署横断的に出社を管理する仕組みがそれまでありませんでしたが、研究所で働く数百人を対象にシフト勤務を組むことができるようになりました。
週ごとにシフトを作成できるので家庭の事情に極力配慮したり、研究進捗に応じた出社希望に対応することが可能になりました。

関連リンク

勤務シフト最適化ソリューション:金融ソリューション:日立(hitachi.co.jp)

「勤務シフト最適化ソリューション」は、コールセンターを運営する企業の経営層、問い合わせ客、オペレータの要望をバランスよく考慮した最適な勤務シフトを、日立の計算技術を使って作成します。

詳しく見る