このチュートリアルは、デモアプリ「画像のノイズリダクション」でアニーリングマシンが行っている処理を解説したものです。
ノイズがのっている白黒の画像から元の画像を推定する問題です。
一般的に、以下の条件が成り立つと仮定してアニーリングマシンに載せられる形で表現します。
この問題では画素の色が黒または白の2値なので、これをCMOSアニーリングマシンのスピンの値-1 or +1に対応させます。
(a)より、ここで入力画像のi番目の画素の値を $y_i$ とし、ノイズリダクション後の画像のi番目の画素の値を $s_i$ とします。
入力画像と出力画像の画素値が概ね同じとするには、以下のようなコスト関数を使います。
ここで$V$は画素の集合を表します。入力画像と出力画像でi番目の画素値が同じとき $y_i s_i$ は+1となり、画素値が異なるとき-1となるので、画素値が同じ際にコストが小さくなるように $-$ の符号をつけたものをすべての画素に対して足し合わせる形です。
ノイズリダクション後の出力画像は、隣り合う画素値が同じことが多い、という条件も同様に考えると以下のようなコスト関数となります。
ここで$E$は隣接画素ペアの集合を表します。これらを足し合わせると、以下の最終的なコスト関数が得られます。